行きはよいよい~
昼をすぎてやっとウェーダーに履き替える。
はじめて入る流れであり、入渓と脱渓ポイントを押さえてから、準備を進めた。
上空が開けており、落差もない流れでもちゃんと魚が居ついている。
しかし、水温の上昇となぜだかわからないが青い珪藻類が石の表面をおおっている。
そのためか、ユスリカとガガンボが異常に多い流れであった。
先週のものと思われる足跡に沿って、渓流を遡行すると、0.8Syのゴギが出た。
流れがゆるい、深みを持つ石のエゴにフライを落とすと、一発である。
脱渓ポイントに到着したが、ゴギが釣れすぎるので調子こいて、どんどん遡行する。
流れはだんだんと落差を増し、それに巨岩のオブジェが自然的に配置された様相となった。
そんな岩と岩で形成された「壷」にはかならずゴギが居着いていた。
それもアベレージが0.7Sy前後、しかも0.8Syクラスも忘れたころに挨拶にくる。
歩数とゴギの数を重ねるたびに、遡行が困難なほどの巨岩帯となった。
小さな滝や長いプールを幾度と無く巻き、とうとう10m以上の落差の滝についた。
時間も午後5時。
右岸の林道まで直登すれば出れるはず。
ヒイコラ、ヒイコラ 登れども登れどブナの葉のすきまに見える青い空に近づかない。
50mほど登ったところで諦めた。
再度、川に降り、川通しで帰ることにしたが、なにせ高巻き数カ所の難所だらけで、これを降りることのなんとしんどいことか。
ひざが笑い、足裏と関節が悲鳴を上げた。
一人の遡行では、ちゃんと脱出できるよう、余裕のある計画が必然ですね。
もうすこしで、涙出そうになりましたわ。
ゴギ用は計画的に・・・。
後に友人に聞いたところ、あの谷を知らずして入渓したものは、みなひどい目にあうらしく、わたしもそれを実直におこなったようです。
どこも同じようなことが起きていますが、ゴギだけはいまだに養殖~放流があまりなされないので、稀少な種といえます。
もし来られる機会がありましたら、秘密のゴギ川にご招待しますよ。
もち、山岳のヒイコラがお好きなら、そちらもコアなところがありますので。